鏡を磨いて ― 山花ひとりがたり

川端康成を始めとする日本文学や、日本思想をテーマに、徒然に考えてみたことを綴ってゆきます———。

2021-01-01から1年間の記事一覧

つれづれに川端康成について書く Ⅰ

最近めきめきと勉強意欲が沸いてきたおかげで、久しぶりにブログに寄稿することにしました。原点に返ったつもりで、今回は私の読書好きのきっかけである、文豪・川端康成を好きになったきっかけについて綴りたいと思います。題して、「つれづれに川端康成に…

漱石、令和に警鐘を鳴らす―『私の個人主義』

「わたしの本棚」では、その月に読んだ本、もしくはどうしても色々綴りたくなった本について感想文や紹介文などをあれこれ記していきます(注:ネタバレがあるかもしれません、ご容赦ください)。ただし、今回はやや評論みたいな口ぶりになっているので、「…

輝かんばかりに広い心 ― 『生きてさえいれば』

「わたしの本棚」では、その月に読んだ本、もしくはどうしても色々綴りたくなった本について感想文や紹介文などをあれこれ記していきます(注:ネタバレがあるかもしれません、ご容赦ください)。 生きてさえいれば (文芸社文庫NEO)作者:小坂 流加発売日: 20…

妙好人の軌跡をたどって in 五箇山

青春18きっぷの最後の一日を消費したく、先日富山県の氷見・五箇山へと旅しました。きっぷの元を取るという目的もあったのですが、一番の目的は、「妙好人・赤尾の道宗」について知ることです。これまで鈴木大拙の『日本的霊性』や藤吉慈海の論文を読んで頭…

川端文学と禅との親和

知り合いの少年の激励会に参加するため、少しばかり帰省していました。親が世話になっている女性に唆されてその少年の旅行に同行することになったのですが、それについては機会があれば書いてみたいと思います。 大阪行のサンダーバードで私は『谷崎潤一郎・…

「遊ぶ」心で

今週のお題「〇〇からの卒業」 今年卒業される学生の皆さん、御卒業おめでとうございます。とはいえ学生の中には、まだ後期試験の結果が判明しておらず心の底から笑えない、という方もいるでしょう。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉もあります。出せ…

言葉あれこれ

読書垢の方々の言葉にまつわる呟きを見ては、「えぇことゆうなあ……フムフム」と思っている日々なのだが、たまたま谷崎潤一郎の『文章読本』を再読して、ふと自分も考えてみたくなった。